×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。



     
ぶちりっ!途中下捨の旅 

          
なんだかなぁ、もぉ〜 編 



インドでの移動に列車はかかせません。

その広大な面積は、日本の十倍近くもなるのです。


今回の旅人は、・・・っていうか、今回の旅人も、たおたんです。

今、たおたんは、その列車にゆらゆら揺られながら、タージマハルで有名なアーグラという町に向かっています。

















所要時間  12時間30分




バラナシをお昼に出て、タージマハルにまた、お昼に着く感じです。なので、寝台ベットを予約しました。インドも、中国と同じで3段ベットです。僕は、一番上のベットでした。


インドの列車は
とっても遅れます。なので、列車が遅れてもインド人は全く動揺する風も無くて、むしろ、時間通りに来たほうがびっくりするくらいなのです。


なので、いつ来るのか判らない上に、乗っている電車が一体、いつ目的地の駅に着くのか判かりません。

また僕の一番上にあるベットからは外の景色が見えないので、駅名も判らず車内アナウンスもないので、今、自分がどこにいるのかも分かりません。

たまに停車駅で駅名を確認できてもその駅名が地図に載っていないのでやっぱり自分の位置が予想さえできないのです。


ある意味
無重力状態に陥る乗り物なので、不安で仕方ありません。


乗り過ごすとまた戻るのが大変に違いないので、僕はインドではいっつも回りの人たちに降りたい駅名を連呼するようにしつこく聞いて、みんなに覚えてもらい、列車が着いたら教えてもらう作戦を使っています。

コバンザメの如く周りの人たちについて行くのです。












印度之法則 其之一










ベット下を制した者は
   
         列車を制す






この為にはみんなと仲良くなっておく必要があります。


もう一つの心配の種は
荷物です。インドは本当に盗難が多いのです。

バラナシであったお兄さんは駅でバックパックを枕に寝ていると、ナイフでカバンを切られて、中のものを盗まれたくらいです。

そんな話を聞くと、やっぱり怖くなってきます。一番下のベットの下に荷物を置いて側の柱にチェーンを巻いて鍵を掛けているのですが、それでも盗まれないか不安で仕方ありません。

なので、やっぱり下の人たちと仲良くなって僕の荷物も、一緒に気に留めておいてもらわなければならないのです。


僕の周りのベットの人たちは、おじいちゃん、おばあちゃん、おっちゃん、おばちゃんの2世帯家族です。

その2世帯家族としばらく話した後、この家族がご飯を食べ始めました。ヒマなので、その様子を上からぼんやりと見ていました。

すると、僕は閉口してしまいました。

色々と食べかすやゴミが出てくるのですが、なんと、それらを窓の外に
ポイポイ捨てていくのです。

確かに紙とかは土にかえるので、百歩譲って理解できるのですが
、ビニール類や、ゴム類ポイッチョ!ポイッチョ


なんの躊躇もなく、この行為が至極当たり前の様子でお気軽に捨てていくのです。

周りの人たちも、同じようにゴミが出ると
ポイッチョ!ポイッチョ!!



おかしなものでそんな光景をずっと見ていると、錯覚というか順応というか、この窓がゴミ箱の様に見えてきてしまいます。













印度之法則 其之弐 


















地面は、ゴミ箱













そういえば、路上でインド人のおっちゃん達と一緒にチャイを飲んでいる時も、僕が
飲み終わったビニールカップを捨てる所がなく、ずっと手に持っていると、右にいるおっちゃんが、

「貸してごらん」

と言って、親切に僕のビニールカップを手にとってくれました。

「あっ! ありがとう♪」

インド人も親切な人がこれまた結構いるので、ビニールカップをまた後でゴミ箱に捨ててくれるのかなと思っていると、受け取った瞬間、おっちゃんは、さりげなく
路肩にポイッチョしました・・・


僕から受け取ってくれる辺りはとってもうれしかったんですが・・・。


これがインド人にとって至極当たり前の習慣なのでしょうか・・・・?





そこで・・・・・。






「これが10億人の習慣だったら、インドの町中ゴミだらけになっちゃうんじゃないの?」






と言う疑問が自然に出てきます。



・・・・が、ところがどっこいそうでもないのです。

インドの庶民の家には、暖房器具と言うものが存在しません。

なので、寒い日はみんな
路上のゴミを集めて焚き火をするのです。その際、燃える物ならなんでもかき集めてきます。

そこには、
タイヤチューブ、ビニールなんかも全部ぶち込んでしまいます。

僕も路上で見知らぬおっちゃんたちと、その焚き火を一緒にご馳走になっていた時の事です。
タイヤのチューブから溢れ出る有毒ガスでむせて、咳き込み、苦しかったので、タイヤのチューブを火元から出すとおっちゃんは、面倒くさそうに、それを拾って再度ぶち込んでいました・・・。

タイヤのチューブを燃やさなければいけない程なので、
布や、紙などの優良可燃物は、もう贅沢品の域に達するのです。


つまり、みんなは
やビニール等のゴミを簡単にポイポイ捨てますが、焚き火の為に、もう一度みんなでやビニール等を拾い集めるのです。







印度之法則 其之参




















捨てる紙あれば
    拾う紙あり













「では、ゴミ箱を設置すればいいのではないか?

焚き火の時に、そのゴミ箱をひっくり返せば、拾う手間も省けて、さらに町もきれいになり、
非常に効率的なのではないか?」









という疑問が自然に沸いて来ます。

ところがどっこい、それは決してありえない事なのです。





効率化をを避けて、あえて手のかかる事をする。みなさんもそんな経験が必ずあるはずです。


焼肉屋に行けば、簡単においしいお肉が食べれるし準備も無く、後片付けもありません。

それでも、みんなBBQが大好きです。それは、なぜでしょう。

みんなで買出しに行って、女性陣が野菜を切って、男性陣が火をおこしみんなでする共同作業の苦労分だけ、焼肉とビールのおいしさが増すからではないでしょうか?




では、インドにおいてゴミ箱を設置せず、捨てるだけごみを捨て、あちこち歩き回ってごみを拾い歩くという




全く効率化を考えない




その理由は・・・・、



































ここが
インド・・・ だからです。
































あまり理解出来なかった人の為に、もう一度解説の機会を頂くと、





























それが インド人・・・ だからです。



















余談ですが、いい機会なので
インドのエコロジーに対する姿勢の話をしたいと思います。


みなさんはインドって聞くと、



「排気ガスがモリモリ、ゴミもモリモリ。

 未来の事より、今が大切、地球は、二の次、自分の事で精一杯。」




なんてイメージが強いでしょう。

しかし、僕はそうは思えないのです。インドには、
インド流のエコがあるのです。




インドのリサイクル問題について




今では、チャイの器は、ガラスコップや、ビニールカップになってきたのですが、昔ながらのチャイ屋では、素焼きの器に注がれて出来てきます。

チャイを飲み終えると、それを地面に叩きつけて割って、土に帰すのです。そして、また土から素焼きの器を作るというサイクルを繰り返すのです。

素晴しいエコ習慣だと思いませんか?




ただ、チャイは
一杯9円なので、一杯ごとに器を割っていると、経常利益はいったいどのくらい上がっているのか?


いえ、それ以前にちゃんと
粗利さえも出ているのか心配になってきますが・・・・。




インドのリサイクル問題について 2




発展途上国であるインドなので、古紙回収や再生紙等というリサイクルは、正直あまり目にしません。ただ、再利用はよく行われます。

僕が、路上のピーナッツ屋さんで、ピーナッツを注文すると、レトロな分銅のハカリで100グラム計ってくれ、古紙をクルクルクルとメガホンの様に丸めて、そこに入れてくれます。

日本の様な過剰なラッピングもありません。さらにはリサイクル紙まで使用しているくらいです。


もしかしたら、使える物は再度利用する。そんなささやかな気持ちが地球を救うのかもしれませんね。






ただ、その包装紙はリサイクル紙と言っても、製紙工場を全く経由せずにリサイクルされているものです・・・。

つまり、おっちゃんの子供の
算数の掛け算を計算した後の練習ノートをビリッと破ったものだったりするので、ちょっぴり食欲が損なわれちゃいますが・・・。





インドのエネルギー問題について




僕が出会ったオートリキシャーのおっちゃんは、急な下り坂になると、エンジンを切っていました。

惰力で走ろうとしているのです。
理科で言うところの、
位置エネルギーが、運動エネルギーに換わるので、わざわざガソリンを使って、さらにエネルギーを創出するなんて、もったいない話なのです。


10億もの人々を運ぶ原油。こういう一人一人の心構えで大量の原油を節約出来るのかもしれません。





ただ、日本の車なんかはエンジンを切ったら
ブレーキが全く効かなくなるので、ブレーキがちゃんと利くのかが心配で心臓が止まりそうになりましたが・・・。







インドの紙資源問題について



日本人は、むやみやたらとティッシュペーパーやトイレットペーパーを使う国民ですが、みなさんは布巾や雑巾で拭ける汚れまでティッシュペーパーという限られた資源を使っていませんか?


さすがに、僕もおしりを手で拭いた方がいいとまでは思いませんが、インド人は鼻をかむ時ですらティッシュペーパーを使いません。


では、どうするのかというと
必殺 手鼻です。(これは、中国人も良く使用する高等技術です。)

それは、鼻の穴の一方を親指で隙間なく押さえ、思いっきり鼻から息を吐き出します。すると、開いている残りの穴から鼻水が、路上へと、ビヤァーッと噴出されます。



ただ、これは北斗神拳で言うところの
最強奥義 夢想転生クラスの必殺技なので、相当の熟練者でないと、噴出された鼻水が、衣服に付着してしまう恐れがあります。







列車の話だっただけに、ここまで話を脱線させて何が言いたかったのかというと、








印度之法則 其之四






















エコセコは、紙一重















列車の旅は夜を迎え、就寝時間になりました。ただ、厳密に言うとインドの夜行列車には、特に就寝時刻と言うものは決まっていません。

では、どうするのかというと、壁に電灯のスイッチがあって、ベットを向かい合わせている6人が寝る同意をすれば、誰かが電灯を切るのです。

この日は、深夜12時頃になり、みんなそろそろ寝ようかという雰囲気になってきました。


しかし、どこからか
でっかい音量で、ノリノリの曲がガンガン鳴り始めたのです。


車内はざわついてきて、みんなその音の発信源はどこだろうと、探し始めました。
僕もこんな遅くにいったい何が始まったのか分からず、ベットから起き上がりみんなの見ているほうを覗いて見ました。


すると、十人くらいの若いあんちゃん達が、ラジカセを持ち込んで、狭い狭い通路にも関わらず、ノリノリで踊りだしているのです。


そんな常識知らずのあんちゃん達に、なんでも興味津々のさすがのインド人たちも、冷ややかな視線を送っています。

結構遠くの方でやっているので、僕はあんまり気にならず、そろそろ寝ようと本を片付け、寒いのでジャンパーを出して羽織り、寝る準備をしていました。


すると、踊りをやめたあんちゃんたちは、ぞろぞろとこっちにやって来たのです。

彼等は、周りのベットに座り込み始めました。そこは、下のベットのおじいちゃんや、おばあちゃんが寝ようとし始めているベットです。

彼等が来たせいで、おじいちゃん達は、うるさいばかりでなく、横になって足を伸ばせられなくなり、座っていなくてはなりません。


迷惑千万、非常識このうえない奴等です。



彼らの話はとてもうるさく、耳障りだったのですが、我慢して、もう寝ようと思い、ジャンパーにくるまり目を閉じました。


そして、しばらくすると・・・






トントンッ!






誰かが、僕の足を叩いています。

僕は、目を開けて足の方を見てみました。

すると、あんちゃん達の一人がハシゴで上がって来ています。

そして、ヒンディー語(インドの言葉)で、何か言っています。


「・・・・・・・・??」


僕が、判らないジェスチャーを見せると、

手で、奥へ詰めろと手を振っています。

このベットに座りに来るというのです。




「NO!NO!NO!」




僕は、声を上げ断固拒否しました。

それでも、あんちゃんは、



「詰めろ!」



と、険しい顔をしながら、手を振ってきます。




「NO!NO!NO!降りろ!!」






と、手で追い払うジェスチャーを見せました。

その時です。










ドンッ!!








僕の
右太ももに鈍い痛みが走りました。

その右を見ると、向かいのベットにすでにあんちゃんの仲間が上がって来ていてベットを譲らない僕に腹を立てて、
ブーツで僕を蹴ったのです。


さらに、向こうはにらみながらヒンディーで何か言っています。

恐らく、まだ「詰めろ」と言っているのでしょう。

この傍若無人な振る舞いに、僕の怒りは頂点へと達し、その次の一瞬、僕は、
全身の血が頭へと逆流していくのを感じました。

右の拳にメリメリと力がみなぎり、にらみつけていました。

僕は、今まで旅をしてきて、一度だって手を出された事がありません。




絶対に許さない!




今すぐにでも、ここから蹴り返してやりたいのですが、僕は、今、裸足なので、蹴り返したところで大したダメージを与えられない。



なので、ベットから降りて行って、向こうのベットへと登っていく必要があります。


でも、僕のベットのハシゴには別の奴がいて降りれません。


と、少々時間を食ってしまった時、僕の脳裏をある事がよぎりました。


それは、バラナシで、出会った日本人の話です。




「インド人には絶対に手を出してはいけないよ。

 この前、柔道が出来る人が、インド人数人と、もめた事があって、その時は、インド人全員をポンポン投げ飛ばしたんだけど、後日、もっと沢山のインド人がやってきて、ボコボコにされたんだって。

 インド人は、仲間意識がすごく強いから、一人に手を出すと全員がやってきてボコボコにされるよ。」




今、あっちの仲間が10人ぐらいいます。今、あいつをぶん殴ったところでその後仲間達にボコボコにされてしまうのが関の山です。


一人の僕は、拳を握り締めたまま、そこから動く事が出来ませんでした・・・。



ただただ、唇をかみ締めながら、ずっとにらみをきかせました。


手は出せないが、ここでナメられたらもっともっと漬け込んでくるに違いない。


そう思ったのです。


すると、僕のベットへとあがろうとしていたヤツは降りていき、向かいのベットのヤツは、僕を無視するかのように、また仲間達と喋りだしました。


そうして、また一時間ほど経つと、彼等の目的地についたのか、どこかへ消えていきました。


あの時、怒りに身をゆだねて、あいつに向かっていかなくてよかった・・・。

そんな事を思いながら、僕は、激しい隙間風を防ぐように、ジャンパーに身を包んで小さく丸まりながら眠りにつきました。










印度之法則 其之五




















阿藤快加藤愛紙一重
 あとうかい   かとうあい