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 キャンパスライフ



僕は、自慢じゃないが登校した日数が
かなり少なかった。一回生で週5時間、二回生で2時間、三回、四回は、一時間づつだった。

その為にテスト前はいつも必死であった。




中国語

僕は、
第二外国語を、中国語で履修していた。
別に中国に行きたかったわけでも、中国語が話したかったわけでもない。ただ、高校のサッカー部時代からの先輩が、
教科書二冊と辞書をくれるという安易な理由だけで受講する事を決めた。

授業は週に二日だったが、各講によって教授が異なっていた。一日は、
とても優しいおじいちゃんで、もう一日は、男には厳しい30前後の男性だった。

厳しい先生は、宿題を忘れた女の子

「先生、すいません。宿題を忘れたので今日やってきます♪」

可愛らしく謝ると、

「はい。」

の一言で済ますが、その
次に当てた男子学生

「僕も忘れたので、次までにやってきます。」

と同じように言うと、





「お前、絶対やってこいよっ!!」




と、びっくりするような
女差別をする。

それに比べて、
おじいちゃん先生の授業は終始和やかであった。
教室は、三階でエレベーターは、無いのでおじいちゃん先生が教室に入って来てもしばらく呼吸を整えるのに時間がかかるので、「ぜーぜー」という声のみが響くという
微妙な静寂が教室を包む。

ある日の授業で、
おじいちゃん先生は、驚くべき発言をした。


「私はねぇ・・・。みんながぁ・・・、遊びたい以上にねぇ・・・。


 遊びたいんです・・・。


ですからぁ・・・、来週の授業は、


 
ピクニックにします・・・。


来たくない人はぁ・・・、来なくて良いです・・・。


 だからと言ってぇ・・・、 欠席にはしませんので・・・。」



お言葉に甘えて、
欠席させてもらった・・・。



そんな
中国語の試験は受講生が一番多いので、机が段々畑の様になっている大講義室で行われた。

幸運にもこの教室は、
一番カンニングがしやすいのである。
僕は、いつもノートを写させてもらったりとお世話になっている、
とても優しくて、きまじめな中塚奈緒子ちゃんの後ろに座らせてもらった。

そして、
僕は机の左半分に、中塚さんは右半分に座ってもらい、答案を見せてもらう事にも快く承諾してくれた。

まだ、
中国語の初級なのでテストには、ピンインと言ってローマ字のみで記述されていた。

例 ) Ni jiao shenme mingzi ?


漢字であったら何となく意味が判るんだが、ローマ字なので
何がなんだかさっぱり判らない。僕は、脳の思考回路を全て緊急停止し、肉体のみの作業に没頭し、とにかく写し続けた

おかげで、なんとか
合格ラインの60点は余裕で越えるであろう出来ばえであった。

満足感でいっぱいの僕は、よくある光景である友達数人で答え合わせをしている群れの中に入っていった。

そこで、友人が、

「なぁなぁ、問題難しかったよなぁ。」

しかし、僕は難しいかどうかすら判らなかった・・・。と、微妙な満足感を再び感じていると、続けて友人が、

「でも俺、自分の名前を書けっていう問題くらいは、ちゃんと書けたわ!」



その言葉を聞いた瞬間に
今まで緊急停止していた脳が、一気に稼動し始め、30分前の記憶が、ハッキリとフラッシュバックされた



  Q、 Ni jiao shenme mingzi ?   (あなたの名前は何ですか?)


  A、 中塚 奈緒子






















ヤッーーーーーッ!!
















僕は先生が答案を持って教授室に帰るのを今か、今かと待ち、出てくるや否や歩み寄り、深々と、こうべを垂れた。


それからというもの
覆いた水を盆に返す為、おじいちゃん先生のところへは、足しげく通った。そして、初めて教授室に招かれた時、おじいちゃん先生は、僕にこう尋ねた。


「君は、今何歳だ??」


「僕は、今19歳です。」


「そうか、では、この98°のマオタイ酒を飲んでみるか?」


喉から火が出る程熱かった


が、しかし、その前の
質問の意図が、一体全体謎だった・・・。


そして、おじいちゃん先生と暇があると、
五目並べを興じた。そして、ずっと頭に中塚奈緒子記名事件があったので、

「この勝負で勝ったら単位を下さいっ!」

と、勝手に約束して
僕は全勝した
先生は、そんな
約束をはぐらかす様

「では、五目並べの単位をやろう。」

と、今度は
ゴタクを並べ始めたが、

一年が過ぎたとき、成績表には、
単位修得の旨が書かれてあった・・・。





        
       special thanks  おじいちゃん先生